1999年の創業以来、中屋万年筆では試作品も含めて数々の万年筆を作ってまいりました。
その中で、材料が希少であったり、新製品に変わったりといったことで、販売終了した
万年筆もございます。そうした万年筆のいくつかを、ここにご紹介することに致しました。

残念ながら現在はこのページにご紹介する商品は販売しておりません

中屋万年筆を代表する漆塗りの万年筆は、日本の伝統文化である漆工芸の技術継承という
物故も含めた難題もあり、残念ながら製造を中止せざるを得なかったものが多くあります。
将来、いま販売している商品も製造できなくなることが考えられ、お手元のご愛用万年筆の希少価値が高まるかもしれません。

中屋万年筆はこれからも日本の伝統文化を末永く後世に残していくため、 誰もが身近に使う筆記具という形で伝統文化を応援し続けてまいります。

■蒔絵・歌川国芳の猫
歌川国芳の『鼠除けの猫』の浮世絵をモチーフにし、軸の地色は下からの金ぼかし、猫の白は白塗りを混ぜたパラジウム粉による蒔絵に、毛彫り、キャップ部分には猫が見つめる視線に雀をあしらい、透明の中にほんのりとペン先が浮き出る程度の朱塗りとしています。 カバー部には鼠がペン軸の中に逃げていく様子を描きました。地色は板目金地、鼠は黒金の付書きです。 お客様所有の大切なダイヤモンドのリングを万年筆にあしらいました。 ダイヤ、金地蒔絵、スケルトンの朱塗り、複数のモチーフと多くの素材が一本のペンの中に配されているにも拘らず落ち着いてとても上品に仕上がりました。
蒔絵・歌川国芳の猫
蒔絵・歌川国芳の猫
■炭粉仕上げ・波濤
軸に大きなうねりを炭粉で盛った後に、刃で彫る沈黒の技法により細かい波の動きを表現しています。細かい刃を使用して渦を巻かせる複雑な線と、そこに点在する複雑な波を荒々しく彫っています。 波のひとつひとつの線の幅、線と線との間隔など、アールがきついペンの軸に対してかなり細かく仕上げられています。
炭粉仕上げ・波濤
炭粉仕上げ・波濤
■蒔絵・良弁杉由来(ろうべんすぎのゆらい)
高知で有名な絵師、金蔵(弘瀬金蔵 通称・絵金)の芝居絵屏風がモチーフです。良弁は奈良時代の東大寺の高僧で、二歳の時鷲に攫われ春日神社前の杉の木に置かれていたのを助けられたという伝説があり、それを元にした歌舞伎芝居などが作られました。
蒔絵・良弁杉由来(ろうべんすぎのゆらい)
蒔絵・良弁杉由来(ろうべんすぎのゆらい)
蒔絵・良弁杉由来(ろうべんすぎのゆらい)
■青海波塗り
漆に卵白などを混ぜ特殊な強い粘度に加工したのち、特殊な櫛を作って引掻く様にして描いていきます。この様な方法での処理ですので、ひとつひとつが微妙に異なる模様となります。波模様は、炭粉の波濤、また鯨図などで大変人気があります。波と波の幅を変えることで大胆な出来栄えにすることもあり、
色々なイメージが作れる技法です。
青海波塗り
■色沈金・竹虎図
漆塗りの表面に彫りを入れて、そこに金などの色を埋め込み彩色していく技法が沈金です。 この作品の彫りは一般的な点彫りや線彫りに加えて、こすり技法(ノミをこするようにして塗面を削る方法)や、 虎の毛の部分などにはその名のとおり毛彫り(動物の毛の様に細くゆらぎのある線を彫る技法)などを合わせて施しています。 全体に毛彫り、目は中央を丸く彫ってから金箔を入れ、その周りを点彫りしています。 髭は線彫り、牙と舌は点彫り、竹は片ノミ彫り(平ノミの片方だけを使って彫る技法で力強い彫りになります)、地面はこすり技法と点彫りの組み合わせです。 緻密さや技法の組合わせをみても沈金の作品の中ではトップクラスに入る作品です。刀(とう)で彫って金を埋める部分の細かさと、ノミの様な平刀で擦って暈す背景や地面など見所満載です。
色沈金・竹虎図
■色沈金・桐に鳳凰
黒蝋色に沈金で桐と鳳凰を描きました。点彫りと線彫りで仕上げています。曲面の集合体であるペン軸にはやり直しのきかない沈金はとても難しい技法です。
色沈金・桐に鳳凰
■琉球堆錦・飛龍
沖縄伝統の堆錦蒔絵で龍を表現しました。琉球堆錦は、1700年代に堆朱の技法からヒントを得て開発されました。堆錦は漆に顔料を混入した『モチ』と呼ばれる柔らかい漆の薄板を、モチーフの部位ごとに切り抜き、貼り付けてゆく技法です。盛り上げた漆が万年筆の軸の周囲を巻き込み、躍動感とリアリティーを出しています。
琉球堆錦・飛龍
■琉球堆錦・総付け・桜
沖縄(琉球)伝統の堆錦技法により、桜を表現しました。総ての表面に堆錦を施す『総付け』の方法を用いています。
琉球堆錦・総付け・桜
■ブライヤー・紅葉葵
紅葉葵の花は金地に朱の塗り込み、葉と蕾は金地に緑と黄緑の塗り込みをし、更に朱合い漆を使い陰影を付けています。蕾のディティールは描き割り的な技法です。キャップからボディには螺鈿を巻きつけました。螺鈿を使う関係上、朱合い漆が厚くなるために全体的に黒っぽい仕上がりですが、時間が経つにつれゆっくりとブライヤーの木目が浮き出てくるものと思われます。
ブライヤー・紅葉葵
■ブライヤー・蜘蛛
拭き漆をした後にモチーフである蜘蛛を高蒔絵で表現しています。
ブライヤー・蜘蛛
■ブライヤー・蛍
拭き漆のベースに高蒔絵で蛍を描き、蛍火を螺鈿と金梨子地で表現しています。転がり止めの『猫』は本来上を向いているのですが、「蛍を見ているようにしたい」とのご要望で逆向きに作りました。
ブライヤー・蛍
■ブライヤー・木象嵌接ぎ
割れの様な筋を彫り込み黒檀の鎹(かすがい)で留めています。実際はキャップとボディの内側に金属製の内殻が入っていますので強度に全く問題はありません。
ブライヤー・木象嵌接ぎ
ブライヤー・木象嵌接ぎ
■牡丹唐草
「牡丹唐草」は、昔から伝わる文様の一つです。今日の日本で古典的な文様と言われるものは、中国から伝えられたものが多く、さらに元をたどるとシルクロードの国々のものに及びますが、長い間日本人が多用してきた結果、日本の文様となっています。日本には平安時代、遣唐使によって伝えられ、鎌倉時代、室町時代には多くの図柄が描かれました。美しさもさることながら、御守護としてのエネルギーがあると言われ、甲冑にも描かれています。
牡丹唐草
牡丹唐草
■BIJOUX No.6 World time model
Jetsetter(飛行機に乗って世界中を飛び回る)の方のために製作しました。 エボナイトの軸に蒔絵職人が蒔絵を施し上にシルクスクリーン印刷で漆蒔絵を重ね、その上にさらに手描きの蒔絵を施しました。非常に手の込んだ品です。
BIJOUX No.6 World time model
BIJOUX No.6 World time model
■アートモデル
アクリルペインティングで1本1本にアートを施してあります。すべて手書きですので、同じものはありません。
アートモデル
アートモデル
■乾漆研ぎ切り・からし色(十角モデル)
色漆の粉を蒔絵の金粉を蒔くようにして蒔き、朱合漆を塗りこんで固まったら研ぎ、その工程を数回繰り返し凹凸を無くしています。
乾漆研ぎ切り・からし色(十角モデル)
■バランスコントロール
ボディ内部にウエイトを入れることで本体の重量と重心の変更が可能です。最大9グラムの重量変更が出来ます。
バランスコントロール
■カーボングラファイト
純炭素を5万トンの高水圧で固めた後、約3,000℃の高温で90日間焼成させた材料から削り出しました。グラファイトとは六角形格子状の結晶構造を持つカーボン素材の一種で、身近なところでは鉛筆の芯や電極材として使われています。アルミよりも軽く、常温ではほとんどの酸・アルカリに耐えることができます。
カーボングラファイト
■鎖帷子
細い銀線を鎖帷子(くさりかたびら)の様に編んで、ペン全体に被せました(素材はスターリングシルバー925)
鎖帷子
■銀のさざ波(赤透明ベース)
スターリングシルバー(925)製の複数のリングを一つずつロウ付けで仕上げています。重量は約50ラムとなっております。
銀のさざ波(赤透明ベース)
■ブライヤー
キャップはスナップ(嵌合)式、ブライヤーの素材は樹木です。木目の美しさをより忠実に表現できた点で、「木の宝石」といった質感があります。
ブライヤー
■スタンダードモデル
スナップ式 胴軸・キャップカバーはエボナイト製 黒 リング有
スタンダードモデル
■スペシャルモデル
キャップはネジ式 胴軸・キャップカバーはエボナイト製 黒 リング有
スペシャルモデル
■シンプルモデル
シンプルモデル
■ワイン樽モデル
有名ワイナリーで永年熟成用の樽に使われていた材料「オーク材(樫)」を木目を横に切出して成型しました。表面は木目の美しさを損なわないよう本漆を塗って仕上げました。
ワイン樽モデル
■キャンバスマイカルタ
『キャンバスマイカルタ』という素材は、フェノール樹脂に2cm厚当り40枚程度のキャンバス生地をはさんだ物で、アメリカの素材メーカーがGUN(拳銃)のグリップ用に滑らない素材として開発したものです。現在は登山用ナイフ等にも使用されています。
キャンバスマイカルタ
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