写真 : 岩崎 寛様(特別にご許可を頂き掲載させて頂きました。)
ちりめん、西陣と中屋の万年筆を包んでくれる大切な入れ物に私達は1999年の創業以来、深い敬意と大きな価値を感じてきました。
この度、永年中屋が尊敬している染織家として、紫綬褒章、文化功労者、文化勲章などを受章され重要無形文化財「紬織」保持者(人間国宝)で
いらっしゃる志村ふくみ様の技術を継承したアトリエシムラ様で制作された生地を使わせて頂けることになりました。
「植物の命をいただいて色にする」自然と対話し色を織ることに情熱を注いだ織物は人の心を浄化するようなエネルギーがあります。
絹糸を染色、糸巻、機織りという工程を経て織物に。
今回採りあげた糸の色は鼠の中でも著名な銀鼠です。
江戸時代後期に奢侈禁止令が発布され、衣服においても派手な色を使うことが出来なくなりましたが、逆に江戸っ子の気質で布の表側には茶色や
鼠色などの地味なものを、裏地には相変わらず派手な色のものを使うなどの抵抗もしていました。
古来よりこれらの色の侘び・寂びの風潮も相まって、特に一見地味と思われるこの鼠色は”ねず”とも呼ばれ、逆に禁止令の中で、現在でも有名な
深川鼠はじめ銀鼠や利休鼠など多くの美しい色が作り出されていき現在に至っています。
今回お願いした生地は、経糸の濃いグレーは樫、緯糸の淡いグレーは栗で染めて織り上げたものです。
志村ふくみ様のホームページはこちらです。
また、アトリエシムラ様のホームページはこちらです
◆中屋スタッフもアトリエシムラ成城店様にお邪魔し、研修をさせて頂きました。
こちらでご覧頂けます。