エボナイト

硫黄とゴムの化合物。1852年に米国のチャールズ・グッドイヤー氏によって発明された最も古い合成樹脂のひとつ。加工が難しく、製造には高度な技術が必要ですが、手作り工芸エボナイトは、弾力性に富むため、その肌ざわりに特徴があり、愛好者が多くいます。耐久性があり、インクの酸に侵されず長期に渡る寸法の狂いも少ないといった点から万年筆に最適な軸材といえます。もともとは漆黒ですが、経年変化で茶色になる点も味わいの一つ。しかし老化すると割れやすくなるという欠点もあります。紫外線には弱いので、日常は問題ありませんが、毎日長時間にわたって、蛍光灯の直下に置く、太陽光の直下に置く、ということをしますと変色しますのでご注意ください。中屋のエボナイト万年筆は、表面に漆を塗って保護していますので、すぐに変色するようなことはありませんが、一般にエボナイトの万年筆は、表面に何らかのコーティングを施していない無垢の状態の場合、永年持っているところが同じ場所ですと、汗などでそこが変色していきます。(エボ焼けと称しています) これをむしろ、ご自分のペンとの長い付き合いの証拠と好まれる方もいらっしゃいます。なお、このエボ焼けについては羽布掛けをすることで解消できると言われています。

エボナイトの万年筆用の軸の制作工程をご紹介します。

1. 材料は、天然の生ゴム、硫黄、充填剤としてエボ粉。
 生ゴムが柔らかくなるまでローラーで練ってから、 硫黄とエボ粉を加えてさらに練る。 
これをのし板の状態にして、適当な幅で裁断する。
2. ①でできたエボナイトの板をペン軸の太さに押し出す。
3. 棒状に押し出されるエボナイト。
4. 適当な長さに切断する。


5. 容器に入れて、圧力釜へ。 140度で14時間蒸し、硬質ゴムに変質させる。
6. 出来上がったエボナイトの棒を一旦保管。 さまざまな太さがある。
7. 轆轤職人松原が、エボナイトの棒を旋盤にかけて、外径、内径を削り、万年筆の軸を作る。


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